2024年は、カシオ計算機が時計事業に参入してから50周年という節目の年になる。1974年に同社初の腕時計として登場した「カシオトロン」の復刻からはじまり、“SKY and SEA”や“Zero to One”といった、特別なコンセプトに基づいた限定シリーズをリリースするなど、このアニバーサリーイヤーを祝うさまざまな取り組みがなされていた。
そんな2024年は、オシアナスにとってもひとつの節目となる。2004年に誕生したこのブランドは、今年で20周年を迎えたのだ。前述した“SKY and SEA”と“Zero to One”の2シリーズからも、オシアナスの特別モデルは登場していたが、このシリーズはあくまで「カシオ時計事業50周年」のためのもの。オシアナス20周年を祝う腕時計としては、別途10月に4種のモデルが打ち出されており、そのうちのひとつが今回着用レビューする「OCW-S7000SG」である。
本作の最大の特徴は、江戸切子ベゼルだ。カシオはハイエンドラインを中心に、自社の腕時計に日本の伝統工芸技法を取り入れた特別な意匠を取り入れており、オシアナスの江戸切子モデルもそのうちのひとつに当たる。2018年から、東京で江戸切子の製造・販売を行う工房、堀口切子の三代秀石(しゅうせき)・堀口徹による監修の下、江戸切子の技法である「千筋」を、職人が手作業でひとつずつカットしてパターンを入れたベゼルをあしらった特別なオシアナスを発表してきた。
驚かされるのが、この江戸切子ベゼルは硬度の高いサファイアクリスタル製であるということだ。オシアナスは複雑な造形を備えたサファイアクリスタル製ベゼルを有するモデルを定番品でもラインナップしているが、基本的には加工の難しい素材のため、全工程を機械でカットを行う。しかし、同シリーズのサファイアクリスタルベゼルは江戸切子職人の手で最後の切り子模様が入れられているのだ。江戸切子職人によるハンドメイドというだけでも稀少だが、それがより難しいサファイアクリスタルで行われている点は、同作に高いプレミアム感を付与している。
ちなみに、小誌『クロノス日本版』編集長の広田雅将がパーソナリティーを務める「BEST ISHIDA presents クロノス日本版 Tick Tock Talk♪」というラジオ番組が毎週土曜日25時から、TOKYO FMで放映されている。そのゲストとして登場してもらった、お笑いコンビTake2の東貴博が、番組のアフタートークでオシアナスの江戸切子モデルを「欲しい腕時計」として挙げていた。ただ、数量限定ということもあり、過去のモデルを入手するのが難しい。今回着用レビューするOCW-S7000SGも、すでに公式ホームページでは完売しているが、まだ一部店舗に在庫が残っている可能性もあるとのことなので、興味がある欲しい人は店頭在庫を探してほしい。
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