ケースバックはシースルー、かつねじ込み式である。そのため、ムーブメントの鑑賞性と防水性を十分に備えている。アラームムーブメントの中には、裏蓋の内側に生えたピンをハンマーで叩く方式も存在するが、その場合はシースルーにもねじ込み式にもできない。本作はムーブメント外周のゴングをハンマーで叩く方式を取っているため、そのような制約がない。
シースルーバックからムーブメントを鑑賞することが可能。香箱は時刻表示用とアラーム用のふたつが搭載され、ローターの右回転で前者、左回転で後者を巻き上げる。
本作には、2時位置と4時位置のふたつのねじ込み式リュウズが備わっている。2時位置が時刻調整用であり、ねじ込みを解除した段階で主ゼンマイの巻上げ、1段引きで日付のクイックチェンジとGMT針の調整、2段引きで時分針の調整を行うことができる。時針を単独で動かすことはできない。
4時位置のリュウズはアラーム用だ。こちらはねじ込みを解除した状態でアラーム用のゼンマイを巻き上げることができる。しばらく巻き上げてみたが、巻き止まりはないようだ。1段引きでアラーム設定用のディスクを反時計回りに回転させることが可能であり、アラームを鳴らしたい時間に合わせれば、セット完了である。その際、リュウズを押し込んでしまうとアラームがオフになるので注意したい。防水性が気になるかもしれないが、アラームオンの状態でも30m防水が確保されているとのことだ。
あとはセットした時間になれば、ハンマーが激しくゴングを叩き、ユーザーに知らせてくれる。シースルーバックから鑑賞できるアラームの作動は、まさに圧巻。なお、音についてはボール ウォッチの公式ホームページで視聴することができるため、気になる方はぜひそちらをチェックしていただきたい。なお、防水時計でありながらも音はクリアに聞こえる。公式の説明によると、ダイアルのフランジに12カ所のノッチを設け、通音性を高めているとのことだ。
リュウズの操作は明快で使いやすいが、ふたつのうちどちらが時刻調整用でどちらがアラーム用であるかが分からなくなってしまうこともあった。アラーム用のリュウズには、トップにベルのマークを刻印するなど、視覚的に判別しやすい工夫があれば、さらに使いやすかっただろう。
ボール ウォッチ ロードマスター M モデル A Ref.DA9100C-S1J-BKR 世界限定
アラームが鳴動している状態。テンプから見て2時位置あたりに取り付けられたハンマーが激しく動き、ムーブメント外周のゴングを叩いている。
実際に手首に装着してみると、意外にも装着感が優れていることに驚く。意外というのは失礼かもしれないが、約15mmの厚みを持ったステンレススティールケースのスポーツウォッチとなれば、ヘッドの重量も重くなり、一般的に装着感は損なわれやすい。本作では裏蓋が薄く重心が低いことと、ブレスレットのコマに厚みを持たせていることで、重量バランスが良好に保たれているのだろう。長時間着用していても腕への負担を感じさせない。
視認性に関しては、先述した通りサファイアクリスタルにプリントされたブランドロゴが若干気になるものの、インデックスや針とブラックのダイアルとのコントラストが高く、非常に優れている。
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